算数

正多角形を描いてみよう

小学校の算数で習う多角形の内角の和を理解しながら、いろいろな正多角形を描くプログラミングです。プログラミングの内容は初心者向けになってますので、サンプルプログラムを見て試してみてください。

ー 目次 ー
  • 作るものをイメージする(目標を決める)
  • プログラムの作成ポイント
  • 正多角形のとくちょう
  • 正三角形の内角の和
  • 正方形の内角の和
  • 正五角形の内角の和
  • 正六角形の内角の和
  • 正多角形の内角の和
  • 正多角形の外角
  • プログラミングの仕組み
  • サンプルプログラム

作るものをイメージする(目標を決める)

今回は、正多角形を描くプログラムを作りたいと思います。図形は拡張機能「ペン」で描きます。どのようにすれば正多角形が描けるかいっしょに考えてみましょう。

プログラム作成の目標
  1. スクラッチの拡張機能「ペン」で正三角形を描く
  2. ねこが「正何角形を描くのか」を聞き、入力された数字の正多角形を描く

正多角形とは、正三角形、正方形、正五角形、正六角形など辺の長さが全て同じ図形のことです。身の周りに正多角形のものが、たくさんあるので探してみてください。

プログラムの作成ポイント

拡張機能「ペン」の使い方や「ペンのブロックパレット」の説明は「正三角形を描いてみよう」で説明していますので、そちらを見てくださいね。

正三角形を描いてみよう 小学校の算数で習う正三角形のとくちょうを理解しながら、かんたんなプログラミングで図形を描く方法を楽しく学べます。プログラミングの初心者...

正多角形のとくちょう

正多角形を描くとき、小学生の算数で習う「正多角形の内角の和」を使うと、かんたんに描けます。

正三角形の内角の和

まず予習です。正三角形の内角の和は「180度」になります。また、どんな三角形でも内角の和は「180度」になります。そして、正三角形の各頂点(A、B、C)の内角は「60度」です。

正方形の内角の和

次は1つ辺が増えて、正方形の内角の和を見てみましょう。90度が4つあるので正方形の内角の和は「360度」になります。

ここで、もうひとつ違う考え方で、正方形を見てみましょう。正方形のAからCへ1つ対角線を引きます。すると三角形が2つあることが分かります。先ほど、三角形の内角の和は「180度」でしたので、正方形の内角の和は「三角形の内角「180度」×2個分 = 360度」になります。また、正方形は同じ角度の角が4つあるので、「360度 ÷ 4つ = 90度」です。なので、ABCDの内角は「90度」です。

正五角形の内角の和

さらに、もう1つ辺が増えて、正五角形を見てみましょう。正方形と同じように、頂点Dから対角線を2本引きます。すると三角形が3つあることが分かります。なので、正五角形は「三角形の内角「180度」×3個分 = 540度」になります。また、正五角形は、同じ角度の角が5つなので、「540度 ÷ 5つ = 108度」です。なので、ABCDEの内角は「108度」です。

正六角形の内角の和

最後に、もう1つ辺が増えて、正六角形を見てみましょう。頂点Dから対角線を3本引きます。三角形が4つあることが分かります。なので、正六角形は「三角形の内角「180度」×4個分 = 720度」になります。また、正六角形は、同じ角度の角が6つなので、「720度 ÷ 6つ = 120度」です。なので、ABCDEFの内角は「120度」です。

正多角形の内角の和

正多角形に対角線を引き、三角形を数えて内角の和を求めました。これを算数で正多角形の内角の和を求める方法は、以下のような計算でかんたんに求められます。

では、計算式に当てはめて内角の和と、それぞれの内角が正しく求められるか確認してみましょう。

  • 正三角形の内角の和
    180度×(3ー2)=180度
  • 正三角形のそれぞれの内角
    180度÷3=60度

  • 正方形の内角の和
    180度 ×(4ー2)=360度
  • 正方形のそれぞれの内角
    360度÷4=90度

  • 正五角形の内角の和
    180度×(5ー2)=540度
  • 正五角形のそれぞれの内角
    540度÷5=108度

  • 正六角形の内角の和
    180度×(6ー2)=720度
  • 正六角形のそれぞれの内角
    720度÷6=120度

正多角形の辺の数がたくさん増えても、この計算式で「内角の和」が分かります。そして「内角の和」から、それぞれの「内角」も分かります。算数のテストでも出るので覚えておきましょう!

正多角形の外角

スクラッチで正多角形を描くとき、正多角形の外角についても、覚えておくポイントがあります。「ねこ」がAからBへ動いたとき、Bの場所で方向を変える必要があります。このとき方向を変える角度は「外角」となります。

正五角形の場合、

  • 正多角形の内角の和が「540度」になります。
  • ABCDEそれぞれの内角は、540度÷ 5=「108度」になります。
  • ABCDEそれぞれの外角は、180度-(内角108度)=「72度」になります。

したがって「ねこ」は、BCDEの場所で「72度」方向を変えることになります。

プログラミングの仕組み

正多角形のとくちょうを利用してプログラミングします。

  • 正何角形にするのか辺の数を聞きます。
  • 辺の数から正多角形の内角の和を計算します。
  • 正多角形の内角の和から、それぞれの内角を計算します。
  • 外角の計算します。
  • あとは、「ねこを動かす」と「左回りに外角分回す」を辺の数分繰り返します。

今回は、算数で勉強した計算をプログラミングで活用できるかがポイントですね!

サンプルプログラム

作成したプログラムを公開してます。画像をクリックするとスクラッチのホームページに移動し、動かしたり、中身を見ることができます。試してみてください。

でわ皆さんも自分なりのアイデアを見つけ、プログラミングを楽しんでください。